ガーデン情報

豊洲ガーデンクラブ新聞春号Vol.5

カラマグロスティス ブラキトリカ

日の光に煌めくグラス類


自然の理にかなったガーデン作りって?

 朝晩冷え込むようになりました。心地よい秋風の中、紅葉していく木々を眺めていたのも束の間、北風が吹く季節はすぐそこに。植物たちは季節の変わり目に敏感です。花は種になり、多年草の根元には小さな芽がたくさん付き始めます。多くの植物は寒い冬を乗り切るために種や根っこに栄養分を蓄えて休眠。ガーデンは徐々にさみしい景色になっていきます。


いがぐり頭のエキナセア

いがぐり頭のエキナセア


 最近では花が終わった後の種姿や冬枯れを自然の風景として楽しむ「ナチュラリスティックガーデン(自然主義的な庭園)」が、世界的なブームです。気候変動による過酷な気象状況や無駄なエネルギーの消費を見直す流れからガーデンの作り方も変化。


ミューレンベルギア カピラリス

秋にしか見られないピンクの穂


 過度な肥料や化学物質の使用、手入れの手間を減らすため、多年草を多用し、自然に見える風景を作ります。
 豊洲公園では種から育てる一年草が冬にも咲き、まったく花が無くなることはありませんが、出来るだけ自然に逆らわず、植物に負荷をかけない育て方をしています。植物が生きる環境を整え、そっと手を添える程度にすると、植物自身が体力をつけ、想像以上に丈夫に大きく育ってくれます。
 秋から冬にかけて、花は種姿になり、葉は紅葉し枯れていく。その風景は自然そのもの。冬に向かっていく自然な風景を美しいと感じ取れる感性を養いたいですね。


秋に魅力的な植物


秋のガーデンには派手な色が徐々に無くなっていき落ち着いた茶色やベージュが広がります。静かに主張し始める黄金色やピンクの穂をつけるグラス類(イネ科の植物)など、繊細な変化を楽しみましょう。


カラマグロスティス ブラキトリカ

放射状にしっかりと自立する株姿が魅力。秋には黄金色の稲穂が。暑さ寒さに強く育てやすい。


ミューレンベルギア カピラリス

細いグレーがかった葉が美しく、秋には霞がかかったようなピンクの穂が現れ存在感が増す。


アスター ツルビネルス

やわらかい淡紫の花色が一面に咲く大型のキク科の植物。秋の風情を感じられる。


パ二カム チョコラータ

赤葉が魅力のイネ科の植物。自立した株姿で花の引き立て役として重宝。秋には穂が実る。


ベロニカ フェアリーテール

夏から秋まで繰り返しよく咲く。美しいピンクの花で秋のガーデンに色を添えてくれる。


スティパ テヌイッシマ

ふんわりとした弧を描き風になびく株姿が美しい。秋には穂が現れ、色の変化も楽しめる。


メリニス サバンナ

小型のイネ科の植物で、可愛らしいピンクの穂が枝先につく。葉はグレーがかり、株姿も美しい。


ハゴロモフジバカマ

秋の七草にも登場するフジバカマ。「羽衣」は葉に切れ込みがあり、株姿が涼しげ。蕾姿が長く花は存在感が薄い。

ピックアップ「TOYOSU花文字」


TOYOSU花文字

TOYOSU花文字


 豊洲公園のゆりかもめ側、「TOYOSU」の花文字を植えました!ゆりかもめの30周年を記念してロゴマークの色、青と赤を使用。歩いている人の目線で植えていますが、ゆりかもめからも読めるのでぜひ確認してみてください!

季節のワンポイントケア「夏の花の冬越し」


夏の花の冬越し

夏の花の冬越し


 夏の花の中には寒さに弱いため枯れる「一年草扱いの多年草」がありますが、工夫次第で越冬可能。根元に来季用の芽がついているので今年伸びた枝は切り落とし、株を小さくします。防寒対策に窓から少し離れた明るい室内に置き、水やりは頻度を減らし暖かい日の午前中に。冬を越せれば来季も花を咲かせます。

活動のお知らせ

公園で気軽に植物に関わりながら経験や知識を得られる活動を通じて
植物のことを理解し、身近な植物を通して環境にも興味を持ってもらえるよう情報提供していきます。

豊洲ガーデンクラブ
​毎週金・土曜日10:00〜11:30

豊洲ぐるりパークで育てた植物を使ってガーデンを作っています。
種まきやポット上げ、ガーデンの手入れをしながら園芸を学び、一緒に育てていく活動です。
植物の手入れについて知りたい方や気軽に植物を育てる体験をしたい方にお勧めです。

・どなたでも参加できます
・参加費無料
・予約不要